表記の基準、用字用語集は校正者のバイブル

校正者の友、『記者ハンドブック 新聞用字用語集 第14版』(共同通信社)が2022年3月に改訂されました。1956年の初版以来、校正の基準として愛用されている表記の基準を示す辞書のような本です。

今回の改訂では「ジェンダー平等への配慮」という項目が3ページにわたって追加されました。ついつい悪気はなく使用している言葉が、社会的・文化的に差別的な表現となっていないか、確認することができます。

用字用語集は国語辞典とは異なり、表記の基準を示すもので、新聞社各社が発行しています。その中でも校正者に長く愛用されているのが、共同通信社の上記です。発行元により、漢字・ひらがなの使い方などにバリエーションがあります。

例えば、「~円かかる」は、共同通信社では「かかる」、朝日新聞出版では「掛かる」です。

洋洋社では媒体の性格やご依頼いただく企業の業種や特性などに応じて、共同通信社の表記基準では「○○」ですが、このような理由で「■■」の表記をおすすめします。といった形でお伝えします。

共同通信社『記者ハンドブック 新聞用字用語集』の最新第14版と2001年に刊行された第9版を比較すると、「誤りやすい語句」の章に掲載されている語句のラインナップが20年でかなり変わっています。時代の流れで、よく使われる語句が変遷していくことが分かります。

ジェンダーの視点で見ると、掲載語句の変化として下記のような例がありました。①と②のどちらが2001年(第14版)、2022年(第9版)でしょうか。

①女で一人で育て上げる → 女手一つで育て上げる

②女手・男手一人で育て上げる → 女手・男手一つで育て上げる

①が2001年、②が2022年です。

校正作業で国語辞典はオンラインを利用しても、紙の本をパラパラとめくるのがスタンダード。コンパクトな新書サイズで手のひらに乗り、章立てなども秀逸で、校正者の間ではその引きやすさに定評があります。登録商標と言い換え、略語、地名や人名の表記など、様々な観点で疑問が生じたとき、さっとページを開けるようになっています。

無料のオンライン版は公開されていないので、一般の方にはなじみが薄いですが、校正者必携の書です。小学生に国語辞典を使い込む学習法がありますが、確かに紙の本を何度もめくることで頭に入るということはあるようです。洋洋社のベテラン校正者は基本的な用語はほとんど頭に入っており、覚えていない語句のみ参照しています。

出典 

『記者ハンドブック 新聞用字用語集 第14版』一般社団法人共同通信社 編著(株式会社共同通信社)

『記者ハンドブック 新聞用字用語集 第9版』社団法人共同通信社 編著(株式会社共同通信社)

『【改訂新版】朝日新聞の用語の手引』朝日新聞社用語幹事 編(朝日新聞出版)