校正で間違ってはいけないことは?②事実関係~コロナウイルスの報道

校正のお仕事で、最も間違いがあってはならないのが事実関係。「ファクトチェック」と呼ばれる作業です。

新型コロナウイルスがメディアを賑わす現在は、さまざまな現況報道や対策があふれています。ウェブサイトや雑誌でこの話題にふれるとき、校正者が参照する情報は厚生労働省のウェブサイトです。

例えば、帰国者・接触者相談センター。以下の症状に当てはまる場合は、各都道府県が公表している、帰国者・接触者相談センターに連絡する、というのが厚生労働省の方針です。「4日以上発熱がある場合は、まずは病院や保健所に相談を」などといった原稿には、誤った情報を発信してしまうことになりますので、この点を指摘した赤字を入れます。

・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。 (解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※高齢者や基礎疾患等のある方、妊婦の方は、上の状態が2日程度続く場合

上記に当てはまらない、「新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談を行いたい方は都道府県等が設置している電話相談窓口へご相談」とも記載があります。無用な社会的混乱や病院・保健所の混雑を引き起こさないためにも、メディアが適切な形と分量で情報を発信していくことが大切です。校正者も裏方ながらその一助となるべく、日々気を引き締めています。