時事問題のファクトチェックについて、弊社では原典を確認することに力を入れています。二次情報をうのみにしないのは当然のことですが、デスクトップサーチで上位に表示されるサイトの順位とは別の判断基準が必要です。
例えばウクライナという国について基本情報を確認したいとき、日本の外務省のウェブサイトを閲覧します。
1 面積
60万3,700平方キロメートル(日本の約1.6倍)
2 人口
4,159万人(クリミアを除く)(2021年:ウクライナ国家統計局)
3 首都
キエフ
4 民族
ウクライナ人(77.8%)、ロシア人(17.3%)、ベラルーシ人(0.6%)、モルドバ人、クリミア・タタール人、ユダヤ人等(2001年国勢調査)
5 言語
ウクライナ語(国家語)、その他ロシア語等
6 宗教
ウクライナ正教及び東方カトリック教。その他、ローマ・カトリック教、イスラム教、ユダヤ教等。
最終更新は令和4年1月4日で、上記の情報などが記載されています。シンプルですが分かりやすい情報源です。人口は2021年の情報ですが、民族構成は2001年の情報で古いため、他の出典をあたろう、といった具合に確認を進めていきます。
他に政府の公式情報をあたるために、在ウクライナ日本大使館、在日ウクライナ大使館や、ウクライナの観光局などを検索します。日本人観光客が多い国では日本語の観光局(政府観光庁)のウェブサイトを開設しているところもありますが、ウクライナに関してはないようです。
結局下記のウクライナの国政調査のサイトより、2001年の調査が最新でしたので、それ以上の公式統計情報は得られませんでした。
統計に関しては英語の原典を日本語に翻訳したサイトなどもありますが、必ず元の英語の統計を確認しています。情報をミスリードする意図はなくても、翻訳やまとめの過程で情報が偏ったり、単純に転記ミスがあることも考えられます。
ウクライナに関しては、連日ニュースで最新情報が報道されています。今回、面積は日本の1.6倍で人口は半分以下という基本データを知り、国の情報を違った側面から確認できました。