校正で間違ってはいけないこととは?③表記のゆれ・不統一~「のなか」or「の中」

ネット上にあふれる文章を読んでいて、何か信頼がおけないな、読みにくいな、などと違和感を覚えたことはありませんか?

その違和感や素人っぽさ、怪しさの原因は、表記がそろっていないことにあるかもしれません。

1.林檎を二つ食べたいので、雨の中、買物に行く。

2.りんごをふたつ食べたいので、雨の中買い物に行く。

3.リンゴを2つ食べたいので、雨のなか買いものに行く。

単純な文章でも、様々な表記方法があり、筆者の文体の特徴が表れる部分でもあります。上の3つの文章は、読めば同じ文ですが、書いてみると、漢字・ひらがな・カタカナ、漢数字・ひらがな・ローマ数字、といった違いがあります。

どれも正しい日本語の文ですが、文章のまとまり、つまり各記事・ウェブサイト・広告を見たときに、どうすれば美しい日本語に感じられるのでしょうか。それは、すべての文に同じルールが適用されていることです。

例えば、「~の中」と「~のなか」は、よく文章中で不統一が起きやすい言葉の一つです。あまりにも見慣れた言い回しのため、文章を書いているときには表記に意識が向きません。推敲中にワードで一括置換すると、「~の中間」などといった、他の使われ方の部分まで間違って修正してしまうこともあります。「~といわれる中」「~される中」「~行うなか」など様々な動詞と結合しているため、表記不統一を見落としやすい、厄介な部分です。

文章の表記をそろえることで、説得力をぐーんと上げて、センスアップしましょう!

校正で間違ってはいけないことは?②事実関係~コロナウイルスの報道

校正のお仕事で、最も間違いがあってはならないのが事実関係。「ファクトチェック」と呼ばれる作業です。

新型コロナウイルスがメディアを賑わす現在は、さまざまな現況報道や対策があふれています。ウェブサイトや雑誌でこの話題にふれるとき、校正者が参照する情報は厚生労働省のウェブサイトです。

例えば、帰国者・接触者相談センター。以下の症状に当てはまる場合は、各都道府県が公表している、帰国者・接触者相談センターに連絡する、というのが厚生労働省の方針です。「4日以上発熱がある場合は、まずは病院や保健所に相談を」などといった原稿には、誤った情報を発信してしまうことになりますので、この点を指摘した赤字を入れます。

・風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。 (解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
※高齢者や基礎疾患等のある方、妊婦の方は、上の状態が2日程度続く場合

上記に当てはまらない、「新型コロナウイルス感染症に関する一般的な相談を行いたい方は都道府県等が設置している電話相談窓口へご相談」とも記載があります。無用な社会的混乱や病院・保健所の混雑を引き起こさないためにも、メディアが適切な形と分量で情報を発信していくことが大切です。校正者も裏方ながらその一助となるべく、日々気を引き締めています。

校正で間違ってはいけないことは?①会社名と形態

校閲のお仕事でもっとも間違ってはいけない項目の一つが企業名。

もちろん個人名も数値もすべて大切な要素なのですが、今日は会社の看板である企業名についてのこぼれ話です。

会社名が入る文章には、「株式会社」「合同会社」など形態の掲載の有無、入れる場合には㈱などの略号を使うのかどうかなど、その媒体により統一表記の決まりを設けていたりします。単発の記事やチラシの場合など決まりがない場合も、一つの文章の中で統一されていなければカッコ悪いものです。

会社名には経営者の方の思いが詰まっているもの。「・」で区切るか全角スペース、半角スペースか。大文字か小文字か。毎日のようにニュースで話題のアマゾンはロゴは「amazon」ですが、公式サイトには「Amazon」「amazon.co.jp」「アマゾンジャパン」など複数の表記があり、法人についての話か、サービスについての話かにより表記が分かれる場合もあります。

外資系企業の場合、ホームページに日本語表記が掲載されていない場合もあで、その場合は英字表記とすることもあります。また、最近増えてきたGoogleやAppleなどの会社形態は「合同会社」で、略は(合)ではなく(同)であること、ご存知でしたでしょうか。

一般財団法人、一般社団法人、公益財団法人、公益社団法人の略はそれぞれ(一財)、(一社)、(公財)、(公社)。NPO法人は特定非営利活動法人なので(特非)になります。

20年前の電車の中には、雑誌やフリーペーパー、文庫本をめくる人がたくさんいましたが、今では8割がたスマホのスクロールやゲームに忙しいといったところ。読書をする人は減ったかもしれませんが、日々文字に目を通す人は増えている可能性があります。

ウェブで大量の記事が毎日アップされる今日、簡単な漢字の誤記や助詞の抜けを目にすることも多くなりました。

昔中学受験勉強で「完璧」の「ぺき」の感じの下側は王ではなく玉と教わりました。また「専門は点口なし」と覚えなさいと、「専」の字の右上に点がつかないこと、「門」は「問」ではないことを覚えるのが大切でした。スマホやPCでの変換が日常となった今、間違えやすいところは別の個所にあります。「形態」と打ちたかったのに、「携帯」になってしまったり。手書きではあり得ない同音異義語に要注意です。次回は誤変換をテーマにお届けいたします。

校閲とは? 校正とは??

ウェブサイトや印刷物のチェックについて、「校閲」と「校正」の違いを疑問に思われたことはありませんか?

分厚い辞書の代表格、『大辞林』第二版(三省堂、1995年)をめくると…

【校閲】こうえつ:印刷物や原稿を読み、内容の誤りを正し、不正な点を補ったりすること

【校正】こうせい:①くらべ合わせて、文字の誤りを正すこと。きょうせい。②校正刷りと原稿とを照合するなどして文字や内容の誤りを正し、体裁を整えること。版下や原画との照合についてもいう。

「校閲」が全体的で広範囲なチェック、「校正」が比較に重点を置いたものである印象です。

実際に私たち現場でも、「校閲」は誤字脱字はもちろん、事実関係のチェック(ファクトチェック)や内容・レイアウトに関しての提案、分かりやすい文章表現の推敲などを含むということを意識しています。

「校正」はシンプルに原稿との照合と誤りを正す仕事です。

実際にご依頼いただく際は、おもに「内容に関するファクトチェックを含むか」が大切な確認事項です。人名や地名など、文章に含まれる情報を、ご提供いただく資料の枠を超えて確認する場合、「ファクトチェックを含む校正」と表現することもあります。

2016年に日テレで『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(石原さとみさん&菅田将暉主演)というドラマが放送されていました。編集業界以外の方は、そこで使われる校正記号や用語に驚かれる方もいたのではと思います。

ドラマでも出版社の中で最も「地味」な部門として描かれる校閲部門ですが、実際は週刊誌などスピードが問われる現場などでは、ダッシュで走り抜ける攻めの仕事が求められたりします。

このサイトでは、そんな校閲&校正、本やウェブサイトなどを作る編集の仕事について、次回もご紹介していきたいと思います。